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映画 「ソロモンの偽証」その2 [映画]

この記事では、映画と原作を比べます。
当然ながら、ガッツリ、ネタバレです。
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ソロモンの偽証(〔1〕(第1部)) [ 宮部みゆき ]ソロモンの偽証(〔2〕(第1部)) [ 宮部みゆき ]ソロモンの偽証(〔3〕(第2部)) [ 宮部みゆき ]ソロモンの偽証(〔4〕(第2部)) [ 宮部みゆき ]ソロモンの偽証(〔5〕(第3部)) [ 宮部みゆき ]ソロモンの偽証(〔6〕(第3部)) [ 宮部みゆき ]





映画 「ソロモンの ぎしょう」
原作:宮部みゆき 監督:成島出 出演:藤野涼子、板垣瑞生、前田航基、尾野真千子、余貴美子ほか(¥6000くらい) 
オススメ度 ★★☆☆☆

小説「ソロモンの ぎしょう 1~6」
宮部みゆき(新潮文庫、¥810~907)
オススメ度 ★★★☆☆

かなりネタバレ。↓


原作と映画は違います。
原作は、やはり「ミステリ」です。
映画は「ミステリ仕立ての人間模様」と私は感じました。

筋だけ追えば大体同じですが、描こうとする物が違う、という感じです。
コンセプトというか、何にフォーカスをあてるのか?という点において、書籍と映画は、違っても当然だと思いますが。

まず、オープニングから違います。
原作は、電気店のおじさんが、公衆電話で電話をしている少年を見かけるシーンから始まります。かなり重要なシーンで、この少年が誰なのか、読者にはわからないように、うまく書いてあります。
これって、文章でないと出来ないことですよね。

映画は、全く逆で、最後の方におじさんの「証言」があって、再現VTRみたいに(回想で)このシーンが出てきます。
まあ、冒頭でこのシーンをやってしまうと、その少年の雰囲気や体格で、何かしら先入観が生まれてしまうかも知れませんから、当然です。
(背の高さからしてあの子じゃないなーとか、太ってる(やせてる)からこの子かなーとか、最初から思ってしまうのは、NGですよね。)
もう映画も終盤で、見ている者たちに、真相がほぼわかってくる状態になってから回想シーンがあって、「ああ、やっぱり」となるわけです。

遺体の「発見者」も、原作と映画は違います。
原作では、野田君が一人で発見します。
が、映画では野田君と藤野さんの二人でした。
映画は全体に藤野さん中心なので、藤野さんがいた方が、話が早いからでしょう。

また、原作では、遺体を発見した野田君の家庭事情、野田君の背景がとても重要ですが、映画では野田君の家庭背景には全く触れられず、すべてカットでした。
藤野さん以外の人物の背景を描いていては、展開に時間がかかってしまうからでしょう。

原作は6巻もあって長いので、前後編とはいえ、4時間くらいの映画では、展開の速さが優先されて当然だと思います。
(まあでも藤野さんと神原君をアップにしすぎだったよね…。
 あ、余談ですが、神原君って、チャグムだったのね。)

「野田君要素軽減」の最たるものは、原作では、将来教師になるのは野田君だったのに、ということです。
これが私、何か残念で。
映画しか知らない方は、「えっ野田君のほう?」と、びっくりされたでしょうか。
確か、藤野さんは、弁護士になったと思います。

うーん、別に藤野さんは教師じゃなくても良かったんじゃないかなー。
「校長が、今や弁護士になった藤野さんから、話を聞く」でも、良かったんじゃないのかなー。
で、藤野さんが、「私は弁護士になりましたし、実は野田君は、あの経験を経て、教師になったんですよ」とか言っても良かったんじゃないのかなー…。

しかし。

原作と映画の最も大きな違いは、死亡した柏木君の描き方だったと思います。

私は、映画を見終わって「えっ…。」と思いました。
柏木君の事が、ほとんど何も描かれないで終わったからです。

映画では、柏木君は、最後まで得体の知れない少年でした。
彼がなぜ亡くなったのか、映画(だけ)を見た方は、わかったでしょうか?
多分、わかりませんよね?
私にも、さっぱりわかりませんでした。

恐らく、裁判の争点になり得たであろう、大出君との衝突でさえも、
いわゆるナレーションベース的な扱いでした。

これは、時間の問題で…ということではなく、フォーカスの違いでしょう。
彼の死そのものが、映画では、二の次でした。
(それで良いのか?という議論は置いておきます。)

フォーカスは、彼以外の人々に当たっていました。
彼だけが、照明も、ピントも、当たらない場所に立っていたかもしれません。
彼自身にフォーカスすると、話がズレるから、だったのかもしれません。
必要だったのは、彼ではなくて、彼の死だけでした。

私が最も残念に感じたのは、
原作で「柏木君による、柏木君の殺人」とされた事が、
映画では「柏木君は、自殺した」となった事です。

↑すげーネタバレです。すみません。
でも、似ているけれど全然違う、と言いたくて。
全然違いますよね。

監督さんは柏木君が心底嫌いだったのかも。
私は柏木君が嫌いですが、上記については残念です。

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